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逆流性食道炎

逆流性食道炎1
 
逆流性食道炎のイメージ

この病気もテレビで取り上げられたりしてかなり認知されるようになっている。
胃や胸が焼けるように痛む。胸焼けやつかえ感。痛みのため物が飲み込みにくい。
などの症状のときはこの病気を疑う。
主に胃酸の食道への逆流が原因となる。水を飲むと症状が良くなることもある。
胃カメラで観察すると食道と胃の境目に軽いものでは発赤、重症になるにしたがって小さなものから大きなものまでの潰瘍が見られる。病変は時に食道の真ん中あたりにも見られて、がんとの鑑別が大事になることもある。おそらく食道の中央部も寝ているときなど胃液が滞留し易い部位なのだろう。傷も発赤も見られないのに、症状だけが強い人もいる。
このような人ではおそらくごくわずかの酸の逆流があってもそれが粘膜細胞の間を縫って浸透し易く、またわずかの刺激に敏感な状態になっているのだと考えられる。
傷の有無に関わらず症状があれば、胃酸の濃度をしっかり下げることが一番の治療になる。 食道潰瘍の他の原因として、寝る前に飲んだ薬が粘膜にくっついて傷を作る薬剤性のものや、暑いものを飲み込んでしまって食道にやけどを作るものもある。
いずれの場合も大きな潰瘍のため数日にわたって食事が取れないほどの痛みを生じることがあるので、薬を飲むときは十分な量の水を飲むこと。熱い肉の塊やジャガイモなどをあわてて食べないことが当たり前ではあるが大事です。

逆流性食道炎2
 
 2012年7月から、私たちのグループの医師による、患者様へのサービスと啓蒙を兼ねたセミナーを開くことになりました。当分の間、月一回の開催を予定しています。会場の都合で50人程度の方を対象にしています。少人数なので気兼ねなく日頃の疑問についての質問ができます。是非ご参加下さい。参加方法についてはエスエル医療グループのホームページをご覧ください。
 
 第一回を当科が担当し、逆流性食道炎についてお話ししました。食道がんでも同じような症状が出ることがあり、治療はかかりつけの先生で十分と思われますが、診断をきちんとすることが大切であることを強調しました。かなり分かり易い内容になっていたかと思います。
 
 
 内視鏡で治療可能な初期の食道がんの患者様は全て、名古屋大学医学部消化器内科学、後藤秀美教授の教室の先生方にお願いしております。常に、丁寧かつ的確な治療を受けられ、患者様とともに主治医としても喜び感謝しています。
 
逆流性食道炎あれこれ
 
1. 食道がんの50%強は胸部中部食道に生じ、食道胃接合部は1%程度だが、逆流性食道炎はその大部分が食道胃接合部に生じる。
 
2. 食道がんの主な症状は、狭さく感、胸骨の後面の不快感、胸痛、嚥下障害(うまく飲み込めない)など、逆流性食道炎のそれは胸焼け、呑酸、胸痛、嚥下困難、食道異物感、胃部不快感、嗄声、喘息症状、肺炎など。

3. 胃切除後の逆流性食道炎では全摘であれば腸液(胆汁酸とトリプシン)、亜全摘であれば胃液と十二指腸液(胃酸とペプシン)が逆流しており、難治性となることが多い。

4. 治療としての生活療法には、腹圧をかけないようにする(衣服による締め付け、庭の草取り、重い物を持ち上げる等を避ける)。便秘を予防する。食べ過ぎ、高脂肪食、アルコール、カフェインなどにより、胃の伸展拡張刺激と下部食道括約筋の一過性弛緩を生じ逆流が起こりやすくなるのでこれを避ける。また早食いは食事と一緒に空気を飲み込んでしまい良くない。夜間の逆流を防ぐには右側臥位より左側臥位で寝る方が良い。

5. 症状を誘発しやすい食品としては①高脂肪食品―フライ、バター、ケーキ、てんぷら。②高浸透圧食品―ケーキ、ココア、チョコレート、あんこ菓子。③酸性食品-オレンジ、ミカン。④野菜・果物―トマト、ケチャップ、たまねぎ、ねぎ、いちご。⑤香辛料―とうがらし、わさび、胡椒、マスタード、ミント。⑥その他―炭酸飲料、アルコール、(たばこ)、(パン)、芋類、かぼちゃ。
などがある。いずれも食生活を豊かにするが摂り過ぎるとよくない。多くの患者さんはどれが良くないか自分で知っている。

6. 症状の強い患者さんにはPPIが有効である。もう一種類の酸分泌抑制剤は、夜間の基礎分泌を中心に一日のうち約半分の時間を胃内ペーハー3以上に保つが、PPIは一日の95%の時間を保つ。
 
逆流性食道炎の症例
 
逆流性食道炎の症例の説明 

逆流性食道炎は胸部中部食道にも、想像以上に多く存在するので、そのつもりでこの部位を注意深く見ることが大切です。また初期の癌はこの部位に好発します。

なお逆流性食道炎に関する記事を、2011年8月のエスエル医療グループニュース(No.127)に載せてありますので参照してください。
症例1:80代男性 自覚症状なし
 
A: 中部食道に数条の線状の発赤が見られる。
B: NBIで見ると輪郭がさらにはっきりする。
C: 同日、別の部位にもびらんが見られる。
D: 1カ月間治療後の像。他の部分で病変は縮小していたが、この部位ではびらんの幅が広がっている。組織検査で軽度の異型も指摘されたため精査のため大学病院へ紹介。1年間経過観察後、ESDで難治部を切除。高度異型との診断。

A B

C D
症例2:60才男性検診でを胃チェックされる、自覚症状なし。
 
A: 症例1と同様中部食道の線状びらん。難治性であったが
B: 10か月後にはかなり改善している。

A B

症例3:70代女性 自覚症状なし。
 
中部食道に輪郭のはっきりした直径5ミリほどの類円形のびらんが見られた。初期の食道がんを疑い、念のため大学病院で精密検査を受けてもらったが、がんは否定された。
以下の症例は食道・胃接合部にみられる典型的な食道炎。

A B

症例4:80代男性 むねやけ、胃液の逆流による不快感。
 
接合部より口側にかけてのびらんが多発する。

A

症例5:60代女性、接合部のびらん。
 
 
A

症例6:50代男性 
 
A:接合部。
B:(Aの3週間後)-下部食道に長く伸びるびらん。
C:2年後の接合部。この方は前胸部に鈍い胸焼けを感じるあいだは服薬を続けるが、良くなるとすぐやめるため再発を繰り返す。
 
A B C

症例7:50代男性 むねやけ、呑酸、前胸部の不快感。
 
A: 接合部に、ほぼ全周性の癒合した潰瘍やびらんが見られる。
B: 下部食道にも潰瘍が存在。
C: 服薬を1年続けた後の接合部。かなり改善しているが小さなびらんはまだ存在する。
 
A B C

症例8:70代女性、むねやけ。
 
中部食道に線状のびらんが見られるが、よく観察しないと見逃す。
 
A B

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